圧電スピーカと音響粒子速度センサーを用いた音響伝搬推定手法

摘要

装置や構造物が発生する騒音の問題を解決するのにあたり，効率的な騒音低減対策を施工するには，音源となっているこれらの装置類（以下，単に「音源」という）から受音点までの放射音特性を明らかにすることは重要である．ある空間で音源から特定の位置の受音点に伝搬する音響特性は，音源表面の微小領域（以下，「音源表面位置」と記すことがある）における音響粒子速度と，その位置と受音点間の対象空間におけるグリーン関数の積を，音源表面の領域で積分することで求められる．音源表面位置の音響粒子速度は，例えば音源表面に加速度センサーを取り付け，得られた振動加速度を時間積分することで得ることができるが，最近は熱線流速計と同じ原理により，音響エネルギーによる空気の振動を捉え，音響粒子速度を直接測定できるセンサー（以下「音響粒子速度センサー」という）が実用化され，これを音源表面位置に設置することで音響粒子速度を容易に測定することができる．