筋電義手肘角度のモデルベース制御: 肘関節機構の製作，制御

摘要

筋電義手の中でも上腕部切断者向けの肘関節を有する筋電義手の開発に対する重要度が高まっている．2017年の時点では，上肢切断者の76%が筋電義手に関心を持っていると報告されており，ottobock社のミケランジェロ，exiii社のhandiiiといった上肢切断者向けの筋電義手が発売されている．上腕部切断者向けの筋電義手の前腕部は筋電位によって動作し，上腕部はワイヤーで角度を手動で調節する機構になっている．ワイヤーを使用した角度調節では，肘関節を動作させる際に肩甲骨や健常腕など体の他の部分を動作させる必要があるため，直感的に義手を操作することができない．また，上肢切断者の4割は上腕切断や肩関節離断である．したがって，上腕切断者が現在発売されている筋電義手を使用するメリットが少ない．以上のことから上腕切断者が上腕部を直感的に操作できる義手を開発する必要がある．