平成28 年(2016 年)熊本地震による道路橋被害の統計分析

摘要

平成28 年熊本地震による道路橋の被害は，広い範囲で多数発生しており，様々な調査が実施されてき ている．本検討では，熊本地震により被災した道路橋における耐震補強の効果を定量的，統計的に確認す るため，耐震設計の適用基準，橋長，損傷部位及び耐震補強に着目し，地震動や被災度との関係を整理し， 統計分析を行った．その結果，複数径間となることにより損傷の発生率が大きくなること，道路橋被害は 支承の損傷が大半を占めること，大きな地震動を受けることにより被災度も大きくなること，耐震補強を 実施することにより適用基準によらず被害が生じにくくなること等が統計的に明らかとなった．