NACA0012 翼型のK-H 不安定による渦の空間増幅率に注目した後縁再付着過程の調査

摘要

近年，危険区域調査や災害現場への派遣などの目的から，無人航空機(UAV : Unmanned Air Vehicle)や超小型航空機(MAV : Micro Air Vehicle)といった低速で飛行する航空機の注目が高まっている．これらの航空機が飛行するのに相当するレイノルズ数(Re=10~4～10~5)では，翼型の空力特性は迎角に大きく依存し，揚力傾斜が非線形になるという特徴がある．迎角α≈0°においては，揚力傾斜が0 に漸近または負の値を示し，揚力係数が小さいということが知られている．迎角の増大に伴って揚力傾斜は大きく増加し，揚力も増加する．迎角の増大に伴う揚力の増加は，翼の前縁から発達した境界層が層流から乱流に遷移する前に，翼表面から剥離する層流剥離を生じ，剥離した境界層が乱流に遷移して翼面上に再付着する際に形成される剥離泡によると考えられる3)．この剥離泡が翼周りの流れ場に影響を与え，複雑な空力特性を示すと考えられている．