新しい空力デバイスとしての主翼上垂直フィンの可能性について

摘要

本研究では，これまでの研究で明らかになった主 翼上垂直フィンの空力特性について整理するととも に，今後の研究の方向性について報告した． 垂直フィンの空力特性（縦三分力）を風洞実験で 計測し，垂直フィンのスパン方向取付け位置や舵角 に対する感度を体系的に調べた．垂直フィンが翼端 近傍に設置されている場合に飛行効率が大きく改善 することを確認し，ウィングレットと同様の効果が 確認できた．また，垂直フィンの平面形を垂直フィ ン面積一定の条件のもと実験した結果から，アスペ クト比を大きくすると，スパン取り付け位置や舵角 によらず，基準となる垂直フィンと比べて，飛行効 率が大きく改善することが明らかになった． 今後は，垂直フィンを空力制御デバイスとして活 用する方法について検討を進めるとともに，垂直エ ルロンの空力性能を決定づける設計変数の更なる調 査と分析を進める予定である．