多目的最適化手法を用いた航空機概念設計における不確かさとパレート面の関係について

摘要

航空機概念設計とは設計要求を満たす機体の形態や主要諸元を決める重要なプロセスである。しかしながら、概念設計が始まる際には設計変数をはじめとするほとhどの値が決まっていないため、経験式や推算式といった低信頼度の手法を用いることになる。こうした方法で得られた機体には不確かさが存在する。ここでいう不確かさとは、設計変数の変更や、経験式に含まれる誤差など、様々な不確定要素により、設計結果が後に制約条件に違反する可能性のことである。こういった理由から、近年では信頼度に基づいた手法、reliability-based design optimization (RBDO) methodsが数多く研究されている。信頼度を算出する手法には、単純だが計算量が多いthe monte carlo simulation : MCS、近似を用いて計算量を抑えたthe first-order reliability method : FORMなどが存在する。こういった方法で求められた、制約条件に違反する確率は信頼度指数reliability index として表される。