民間航空機国産化研究開発プログラム(3)エンジン理境適合性向上技術について

摘要

宇宙航空研究開発機構（JAXA）航空本部では、将来の超高バイパス比エンジンの環境適合技術と我が国の国際競争力の向上を目指し、ファンおよび低圧タービンの空力効率向上と軽量化の技術に関する研究開発（高効率軽量ファン?タービン技術実証）、コアエンジンの熱効率向上、NOx排出低減、排気ジェット騒音低減の各技術に関する研究開発（グリーンエンジン技術研究開発）を、平成25年度から進めている（図１）。高効率軽量ファン?タービン技術実証では、小型民間航空機用エンジンの燃料消費量を現行機エンジンに対して16％削減可能な技術レベルを目標とし、ファン高効率化技術、ファンブレード軽量化技術、メタルディスク軽量化技術、吸音ライナ軽量化技術、低圧タービン軽量化技術のそれぞれについて要素技術の開発と実証を行う計画である。グリーンエンジン技術研究開発では、同じく燃料消費量16%減に対応するコアエンジンの熱効率向上と、NOx排出をCAEP/6基準に対し75%低減、騒音1dB低減を推力損失1%以下で実現することを目標とし、コアエンジンの要素技術開発、システム基本設計および騒音低減デバイスの技術実証を行う計画である。本報ではこれらのエンジン環境適合性向上技術の研究開発計画の概要を示す。