収縮膨張ノズルを有するローテーティングデトネーションエンジンの3次元数値解析: 推進性能に与えるH2/Air混合気の当量比の影響評価

摘要

衝撃波に誘起された燃焼波が予混合気中を伝播するデトネーションを利用したデトネーションエンジンの開発が世界中で行われており，その中でもローテーティングデトネーションエンジン（RDE）が注目されている．RDE は，2重円筒型の燃焼器内をデトネーションが連続的に伝播することで推進力を得る内燃機関である．2000年以降，RDE の研究は各国の研究機関で活発となり，近年ではWolanski らやLuらによる実験的研究，またTsuboi らによる数値解析的研究など多くの研究が行われている．RDE の特徴として理論熱効率がブレイトンサイクルより約20％高いことや，圧縮機が不必要なため軽量化可能などの利点がある．一方で，デトネーションの制御がまだ難しいことやデトネーションエンジン内部の非定常な流れ場構造，推進性能とノズルとの相関関係に未解明な点が存在する．