多獲性魚類加工を目的とした定量充填ロボットシステムの開発

摘要

多獲个生魚類とは，サンマ，サバ，イワシ，アジ等の一度の漁で大量に漁獲される魚をいう．これらの魚種は各魚種の年別漁獲量に変動はあるものの日本の総漁獲量の30～40[%]を占める．これらの魚種は，鮮度落ちが早く，冷凍·加工品にして保存することが多い．また，これらの魚種は身質が弱いという特徴を持ち，特に加熱後はより身が崩れやすいため，身の外観を残したままでの加熱調理加工は非常に繊細な作業となり，加熱調理後の身を持ち，缶等の容器に一定量詰めるといった定量充填作業は人手に頼らざるを得ないのが現状である．以上の作業を伴う作業は人手を多く要し，単純作業であることから作業従事者に加わる精神的負担も大きい．また，水産加工業従事者が減少傾向である昨今では精神的身体的負担がより大きくなることが考えられる．そこで，我々は定量充填作業を自動化することで，作業従事者に加わる精神的身体的負担及び人手不足の解消が見込めると考えた．そして，自動化の付加価値として製品の安定した生産性·品質，コスト削減が見込まれる．