石油化学プラント爆発·火災対策用消防ロボットシステムの研究開発

摘要

東日本大震災においては、千葉県市原市の石油化学プラントにおいてBLEVE（Boiling Liquid Expanding Vapour Explosion）と呼ばれる大爆発が発生した。この際、現場の消防職員は退避後であったため、爆発による死傷者は発生しなかった。平成24年9月に発生した兵庫県姫路市の石油化学プラントにおける爆発火災事故では、残念ながら消防職員1名の殉職者を出し、さらに、消防職員を含む36名の負傷者という人的被害が発生した。このような災害において、消防隊員が災害拡大の抑制のために活動することは危険と隣り合わせで，困難と言わざるを得ない。しかしながら、災害の拡大抑制が行われない場合、危険な領域が広範囲に及び、市民生活へも影響する。さらには、当該石油化学プラントの復旧も遅れることにもなる。そこで消防庁では、このような状況下においても，災害の拡大抑制活動できることを目的とし、先端技術を活用した消防用ロボットシステムの研究開発を進めてきている。