サーボブレーキを用いたパッシブ支援車椅子の開発－第6報：車椅子の駆動を考慮した手動車椅子の制御切替

摘要

現在，我が国において発生する車椅子事故の80［%]以上が環境に起因しており，深刻な問題となっている［1］．我が国では歩道に設ける切り下げ勾配は最大5度まで認められている［2］が，切り下げ勾配は車椅子が重力に従って車道側に引き寄せられるように走行してしまう（このことを“片流れ現象”と呼ぶ）原因となり，特に車椅子利用者にとって危険である．そこで，傾斜面であっても車椅子の片流れ現象を防ぎ，車椅子使用者の意図に沿った走行を可能にする車椅子用走行支援装置の開発が望まれる．