ナノシート液晶を用いたゲル状アクチュエータの熱特性の基本研究

摘要

分子ロボティクスとは，情報科学，制御工学，生命科学，材料科学，物理，化学などの多くの分野からなる複合領域として注目されている．将来的には，多機能な性能を持つ分子システムを構築することで，従来のロボティクスでは実現出来なかったより高性能なロボットシステムの開発が期待される．特に医療分野などでの応用が，強く期待されている分野である．本研究では，分子ロボティクスの１つの研究として，Fig.1のようなナノシート液晶を用いたゲル（高分子）状アクチュエータに注目した．一般にゲル状アクチュエータを駆動させる際の物理刺激としては，光や熱，電場，磁場などがあるが，本報告で使用するナノシート液晶を用いたゲル状アクチュエータでは周囲の熱に応答して伸縮する性能を有する．そこで，本報告では，ロボティクスへの応用を考え，対象のゲル状アクチュエータの基本的な熱特性を調査した．また，その結果を用い，アクチュエータの長さ制御を行った結果を示す．