層流境界層中にある正方形平板突起周りに生成する首飾渦構造

摘要

平面壁上にある三次元物体周りに生成する定常首飾渦は，壁面熱伝達の促進，橋脚や人工礁周りの流動特性と洗堀等の問題と関連しているため，その構造を理解することは工学上重要と思われる．これまで投影面形状のアスペクト比w/h が2 である短い円柱や正方形柱，アスペクト比が1 である正方形平板等の三次元物体周りに生成する定常首飾渦についてはその渦系がレイノルズ数と物体の相対高さ（境界層厚さに対する物体高さの比）によって2 渦系，4 渦系，6 渦系に変化すること等が報告されている．しかしながら，このように様々な三次元物体周りに生成する首飾渦についての研究が行われているにもかかわらず，定常首飾渦に対してさえもレイノルズ数と物体の相対高さが渦形成位置や渦強度に及ぼす影響についてはほとhど言及されていない．したがって，本研究では最も基本的な投影面形状を有する三次元物体として平面壁上に直立する正方形平板が層流境界層流の中にある場合を取り上げ，正方形平板前方に生成する定常な首飾渦の渦系，渦位置，渦強度等の渦挙動に及ぼすレイノルズ数と相対平板高さの影響を流れの可視化およびPIV 計測により明らかにする．