2つのモータにより駆動する車両用パワートレインの回転数を協調決定するCVT の選択的な変速経路の変更による回生エネルギの向上

摘要

エネルギ·環境問題解決の為，内燃機関自動車と電気自動車の特徴を有したハイブリッド車の研究開発が盛hに行われている．著者らも駆動用のモータ(以下MM: Main Motor)と発電用のモータ(以下SM: Sub Motor)を無段変速機(以下CVT: Continuously Variable Transmission)で連結し，発電用のSM を走行補助の動力源にも用いる高効率に駆動可能なハイブリッドシステムを提案した．しかし現行のそのシステムでは，動力回生をMMのみにより行う事を想定しているため，回生できるエネルギは制動時に系が持つ動力の約20%程度と低いのが現状である．そこで本研究では，MM に加えてCVT を用いて変速させたSM の計2 台のモータを用い，そのCVT の変速条件を最適にする事でエネルギ効率の向上を図る手法を提案することを目的とした．研究では回生エネルギがモータの回転数に依存することを考慮し，回生制動が行われる際のCVT の制動開始時の変速比を変更した．それらをもとにした回収エネルギの変化を1 台のモータを用いた台上走行実験により予備検討をした上で，2 台のモータを用いた際の回収エネルギの変化をシミュレーションにより検証した．