鮎釣りにおける引き抜き作業の解析と鮎釣竿の性能評価

摘要

釣りは，青少年から高齢者までの幅広い年齢層にわたって楽しまれているスポーツである．中でも鮎は縄張りに侵入してきたオトリ鮎を攻撃するという習性を利用した釣りであり，釣竿のしなりを利用して仕掛けに付けたオトリ鮎のコントロールや，針にかけた鮎の引き抜きを行う．そのためコントロール性能や引き抜き性能の良い釣竿の開発設計が望まれる．現在鮎釣竿の設計現場では，プロの官能評価を用いて釣竿の設計を行っており，開発の立場からは官能評価だけでなく，物理量を用いて釣竿の性能を定量的に評価し，性能を支配する設計パラメータを特定することで，パラメータを用いた設計手法を構築することが望まれている．そこで本研究では鮎釣竿の引き抜き性能に着目して特性を明らかにし，その性能を支配するパラメータを用いて設計ができるようにする．