繊維強化樹脂射出成形品のゲート部における繊維配向メカニズムに関する研究

摘要

繊維強化樹脂射出成形品においては，成形中に繊維配向が変化することにより，製品に反りが発生したり機械的特性が低下したりする．このため，成形中の繊維配向メカニズムを把握することは重要である．本研究室では，X線CTを用いた3次元測定による繊維情報の抽出を行ってきた．過去研究より，平板部の繊維配向度は，繊維含有率が5wt%の場合は全体的にTD配向が強く，20wt%では全体的にMD配向が強いという傾向が見られた．更に，各繊維含有率の条件において，平板部の先端から末端までの流動では繊維配向度の傾向はほとhど変化しない事が分かった．この結果から，平板部より成形過程の上流であるファンゲート部の繊維配向度の算出を行ない，5wt%では常にTD配向であるのに対して，20wt%ではTDからMD配向に変化していることが分かった．