プラスチック射出成形における離型抵抗計測II: 離型抵抗計測金型の改良

摘要

プラスチックレンズの射出成形では、高い形状精度を得るために、成形過程において高い樹脂圧力が負荷される場合が多い。そのため、離型抵抗が発生し、変形、割れなどが起こることが問題となっている。そこで、高い形状精度を保ちつつ離型抵抗を低減させる方法が検討されている。これらの方法を検討する際には、まず第一に、離型抵抗を正確に計測することが重要となり、様々な計測方法が提案されてきた。しかし、レンズを対象とした離型抵抗計測方法に関する研究事例は、ほとhど見られない。著者の一部らは、様々なレンズの成形材料やキャビティ形状、表面性状·処理において、離型抵抗を高精度に計測するために、水晶圧電式高感度力センサを内蔵した、汎用性のある離型抵抗計測金型の設計·製作をした。本報告では、本離型抵抗計測金型の改良と、本金型を用いた各種レンズ成形材料の離型抵抗の計測結果について紹介する。