レーザ積層造形向け難燃PBT樹脂の検討

摘要

近年、低価格3Dプリンターの普及や技術進歩により、3D積層造形技術の注目が集まっている。3D 積層造形技術の中でも、レーザ粉末積層法は、主に結晶性の熱可塑性樹脂の使用が可能であり、試作以外に部品の製造にも利用されている。レーザ粉末積層法は、樹脂の融点近傍まで保持した状態で造形する方法であり、市場に普及している装置の耐熱温度は200 °C近辺とされている。そのため、現状は、融点200 °C近辺の材料に制限されており、市場の95%以上は、PA12樹脂が使用されている。これまで、我々は、融点と結晶化温度を適度に低下させた共重合PBT粉末を用いることにより、装置保持温度200 °C未満で、レーザ積層造形できることを明らかにしてきた。一方で、最終製品に適用するとなると、難燃性が要求される場合がある。そこで、今回、レーザ積層造形用共重合PBT樹脂の難燃化について検討した結果を報告する。