シリカ配合未加硫ゴムの熟成による物性及び加工性への影響

摘要

原料ゴムに各種配合剤を混練後、気泡や残留ひずみ除去を目的とした未加硫ゴムを室温で貯蔵して熟成させる工程は、その後の未加硫ゴムの加工性に影響を及ぼすことが知られているが、詳細についてはノウハウとして秘匿されている。既に我々はSBRにシリカとシランカップリング剤を配合混練し、両配合剤の反応（シラニゼーション反応）が不十分な状態で熟成を施すと、熟成時に反応が徐々に進行し、シリカの分散性向上やムーニー粘度の上昇を生ずることを把握している。本研究では、異なる温度条件で混練し、シラニゼーション反応の度合いが異なるシリカ配合エチレンプロピレンゴム(EPDM)の未加硫ゴムを熟成させ、未加硫ゴムの加工性やシリカの分散状態に加えて加硫後機械的物性への影響を調査した。