切欠きを有するポリカーボネートの動的応力集中とひずみ速度集中の解析

摘要

ポリカーボネート等の高分子材料の力学的性質はひずみ速度，環境温度，圧力に大きく影響されることが知られている．特にひずみ速度は荷重条件で容易に変動する．最近は，引張試験で一定の引張速度を負荷することで実験データの採取が行われている．高分子材料では，動的応力やひずみ速度はその強度を評価する上で重要な要素であり，負荷する引張速度や引張量，切欠き形状，材料定数などによって支配される数値と考えられる．しかし，それらは実験的に得られたデータがほとhどで，解析的に考察したものは少ない．そこで本研究では有限要素法を用いて弾性解析を行い，引張速度や引張量が切欠きを有する板材の端面や切欠き周辺の最大動的応力，最大ひずみ速度にどのように影響するかを検討する．