内圧を受けるガスケット付き箱型圧力容器締結体の密封性能評価(ボルト締結手順及びボルト配置が密封性に及ぼす影響）

摘要

内圧を受けるガスケット付き箱型容器ボルト締結体は石油，化学プラントをはじめ原子力分野等の機械構造物，さらに自動車のオイルパン等に数多く用いられている．一方，近年は環境汚染防止の関係から漏えいに関する規制も制定されフランジ締結体からの漏えい量を把握する必要性も高まってきている．従来からガスケット付き丸形フランジボルト締結体の密封性能評価に必要なガスケット接触応力と締結体特性に関する研究が多数報告されている．しかし箱型容器ボルト締結体は多数の構造物に使用されているにも関わらず、研究はわずかしか行われておらず，合理的設計法及び密封性能などは完全に明らかになっていない．著者らは以前よりガスケット付き箱型容器を使用し、FEM解析と実験により密封性能を評価してきたが、本研究では、実際のボルト締付け作業の際に行われる二つの締付け方法（ASME PCC-1：対角線締付け，JIS B 2251:時計回り締付け）の違いが密封性能に与える影響をFEM解析と実験により明らかにする．さらに，従来の研究結果から，箱型容器締結体の内圧作用時における4 か所ある角部のガスケット接触応力は他の箇所と比べ十分高くそこからの漏えい量は無視できる量であることを確認している．そこで，現場でのボルト締付け作業の効率化を目的に，4 つの角部に配置されたボルトの削減し，ボルト削減前後の漏えい量の差異を明らかにする．