手術ロボットのための機械要素の洗浄容易さの評価

摘要

現在, 外科手術を支援する様々な手術ロボットが研究·開発されている．このような手術ロボットはとても高価であるため, 繰り返し使用されるが, その際, 感染などを防ぐために適切に洗浄される必要がある．しかし, 手術ロボットは構造が複雑なため, 組み立てた状態では洗浄が難しく, 使用する度に複雑な機構を分解·組立するのは非常にコストがかかる．そのため, 手術ロボットの開発は, 機構の複雑さと洗浄容易さが試行錯誤的に最適化されて行われる．そこで本研究では, ある複雑さを持つ手術ロボットの機械要素がどれくらいの洗浄容易さを持っているかを, 標準的な洗浄後の残留汚れの量で評価した．そこでまず, 手術ロボットの機械要素を分類し, 分類した機械要素を基に, 適切な評価が行えるようなモデルを設計した．そしてこのモデルのパラメーターを変化させることで, 汚染·洗浄後の残留蛋白質量を評価した．これによって, どのくらいの洗浄容易さの機構であれば従来の洗浄方法を適用できるか, どのくらいの洗浄容易さの機構であれば, 特別な洗浄方法が必要となるか, という指標を得ることができる．このような指標は, 手術ロボットの設計に役立つと考えられる．