タングステン材料におけるナノ多結晶ダイヤモンド工具の損傷機構に関する研究

摘要

タングステン材料は, 高温強度や融点が約3400°Cと高く, 熱膨張率も小さいことから, エレクトロニクスをはじめとする様々な産業で使用されている材料である．また, 低蒸気圧である特徴を利用し耐熱性高温炉部材として広く使用されている．一般的には, タングステン焼結体, または圧延, 鍛造等の塑性加工で緻密化された加工材として製造され, 最終的には切削加工などの機械加工により所定の形状や表面品位に仕上げられる．しかし, タングステン材料は, 切削加工をはじめとする機械加工を施す場合, 工具寿命が極端に短いことが問題視されている．本報告では, 従来型多結晶ダイヤモンド工具, グラファイトから直接変換した作成されたナノ多結晶ダイヤモンド工具を用い, その工具寿命延長の可能性について検討した．