大規模3次元実環境モデル内における人間行動シミュレーションとそのアクセシビリティ評価への応用－デジタルヒューマンの視覚に基づくサインの可視性·視認性の推定機能の開発

摘要

そこで本研究では，図1に示すように，高齢者や様々な視覚特性を持つ被験者の再現が可能なデジタルヒューマンモデル（DHM）を用いた人間行動シミュレーションに基づき，屋内外実環境の経路探索容易性を評価できる技術の開発を目的とする．本報では，SfM（Structure from Motion）に基づき半自動構築されたテクスチャ付き実環境モデル内でのDHMの経路探索シミュレーション技術，すなわち，環境中のサインの可視性·視認性をDHMが自律的に評価し，その結果からDHMの歩行目標位置を動的に決定する技術を開発した．さらに，開発した経路探索シミュレーションに基づき，経路探索が容易でない個所の推定とサインの再配置案の妥当性検証を実施した．なお，実環境モデル内でのDHMの歩行シミュレーション技術は，前報［5］で開発済みのものを用いた．