鉄道車両形状データ取得·活用手法の開発（第2報）－3次元測定データ活用による組立調整量指示手法の開発

摘要

大型構造物の製造において，作業者の技能に依存しない製造方法の確立を目的に，3次元計測の導入·活用が進hでいる．航空機製造では，大型部品同士の組立時に，組み付け位置の逐次計測による治具レス組立の適用事例がある．また船舶では，ぎょう鉄と呼ばれる曲がり外板加工作業において，レーザスキャナ計測による曲面形状評価および入熱位置の算出，指示を自動化する研究事例がある．一方，鉄道車両では，荷重試験時の変形量検査に3次元計測機を用いる事例[3]はあるが，製造中の3次元計測や計測データの活用事例は見受けられない．そこで，我々は，製造時の作業性向上と鉄道車両の品質向上を目的に，車両形状データの取得·活用手法を開発している．本報では，鉄道車両の内装床板組立を対象に，構体完成時の3次元測定データから，部品の取り付け調整量を算出し，定量的な組立作業指示を行う手法の開発および事例検証について報告する．