非階層·階層型クラスタリング手法を適用したソリッドドリル切削条件の決定法

摘要

近年のCAMシステムの発達により，容易にNCプログラムを生成することが可能となった．しかしながら，加工をする上で重要な使用工具や切削条件の決定を，熟練技術者の知識や経験に頼っているのが現状であるが，熟練技能者の知識や経験は，暗黙知である場合が多く非熟練技能者には伝承されにくい．したがって，公開されている知識やデータを活用して，使用工具や切削条件の決定を支援するシステムを構築していくことが必要であると考えられる．これまでに，本研究では膨大なデータを有する工具カタログに対して，データマイニング手法を適用することにより，エンドミル切削条件決定支援システム（カタログマイニングシステム）を提案し，その有効性を実験的に検証し，明らかにしてきた．加工工程は，エンドミルによる側面，溝切削の他にも，穴あけや，ざぐり，タッピングなど，複数の加工工程によって構成されることが一般的である．そこで本報では，切削工具の中でも，エンドミルと同様に重要な加工因子であるドリルの工具カタログに対して，非階層型と階層型のクラスタリング手法を併用したデータマイニング手法を適用することにより，ドリル切削条件決定支援プロセスを構築するのに必要な，切削条件決定に有意となる情報の抽出を目的とする．