ミストノズルによる高アスペクト比微細穴の高速放電加工の実現

摘要

微細放電加工では，加工が深くなると極間からの加工屑の排出が困難となり，加工屑を介して短絡や異常放電が発生し，加工速度が低下するとともに，加工精度が悪化する．加工屑の排出促進のため，Ichikawaらは加工液に超音波振動を付与した．しかし，超音波振動付与の場合は振幅を大きくし過ぎると加工精度が悪くなり，加工屑排出の促進に限界がある．そこで本研究では，高速度と高精度の微細放電加工の実現のため，ミストノズルを用いてミストを側面ギャップにあてることで加工屑の排出効率を向上させる方法を考案し，実験により高アスペクト比微細穴の加工速度，加工精度および加工深さ限界の向上効果を調べた．