決定論的横置換法による血液分級時の流速の影響

摘要

血液は，大きく分けただけでも，血漿，血小板，赤血球，白血球と様々な成分から構成されている．血液検査は，採取が容易なため，様々な分野で行われているが，さらなる高度化のために，狙った細胞を血液から容易に選別する技術が望まれている．例えば，がhの病巣部から血液中にわずかにがh細胞が漏れ出すことが知られており， 循環腫瘍細胞(circulating tumor cell：CTC)と呼ばれ最近注目されている．こうした細胞を捕らえることが出来れば，がh研究のみならず，診断·診療に有効であろう．しかし，CTC は血球細胞10~9 個に一個程度とも言われる希少細胞のため，捕えることは困難である．Veridex 社のCell Search システムが米国FDA の承認を受けた唯一の検出系であるが，検査費用が高額であること，すべてのがhに対応はしていないことからあまり普及していない．そこで，我々は廉価で容易にCTC を生きたまま検出することを目指し，マイクロ流体デバイスの開発を進めている．