コーンビーム型X 線CT における複数姿勢角のボリューム合成によるアーチファクト低減法

摘要

X 線CT は，1 軸回転を行う対象物に多方向からX 線を照射し，得られた投影像列から断面像列(CT ボリューム)を再構成し，形状抽出をすることで対象物の3次元形状を得る技術のこと(図1)であるが，最近では様々な場面で利用されている．例えば，CAD データからの製品が正確に作られているかを評価する形状検査やリバースエンジニアリングなどに用いられる．X 線CT の場合，X 線を透過させて物体をスキャンするため，複雑な形状の物体でも容易に3次元形状を得られるという利点を持つが，様々なアーチファクト[3]を持つ(図．このアーチファクトによって，3次元形状に誤差が出てしまうが，誤差の出かたは回転軸に対する物体の姿勢によって異なる．本研究では，複数の姿勢から得られたCT ボリュームを合成することによって，アーチファクトによる形状誤差を軽減する手法を提案する．