成長要素と属性を考慮した玩具設計支援ツールの研究

摘要

子供の成長は, 行う遊びの内容に左右され, 遊びの内容は使用する玩具に依存している．玩具は子供の成長を左右すると考えられるため, 子供の成長を考慮して設計されることが望ましい．しかし, 従来の玩具の概念設計は, 設計者のアイディア·センスに依存しており, 仮に子供の成長が考慮されていたとしても, それは暗黙知的なものにとどまっている．したがって, 玩具の設計を設計者のアイディアやセンスのみに依存するのではなく, プロセスに沿って体系的に進められるようにすることが求められている．従来の玩具に関する研究は, 玩具の設計·製作事例の報告, 玩具の素材の評価[2]などが主体で, 玩具の設計支援に関する先行研究は見当たらない．また機械の概念設計には, 設計を機能面から進める方法が提案されている[6]が, その方法を玩具設計に応用することは困難であると考えられる．以上より本研究の目的は, 玩具の設計を上述のように体系的に進められるようにするための支援ツールを提案し, その効果を確認することである．