カーボンナノチューブ複合ニッケルめっき被膜を用いたダイヤモンド電着砥石の開発

摘要

バイオチップや光学部品などの石英ガラス製品の開発において微細穴加工·溝加工の高いニーズがあり，砥粒脱落が極めて少なく，工具寿命が長い小径軸付きダイヤモンド電着砥石が求められている。工具寿命を左右する大きな要因の一つは，めっき被膜の砥粒保持力である。砥粒保持力は，砥粒とめっき被膜の界面密着性およびめっき被膜自身の機械的特性を反映した複合的な能力であると考える。本研究では，後者の被膜の機械的特性の改善に着目し，CNT 複合Ni めっき被膜を電着砥石に応用し，砥粒保持力の強化を試みた。ボンドテスタによるシェア試験により，単粒の砥粒保持力を定量的に評価し，次にΦ0.5mm，Φ3mm の軸付きダイヤモンド電着砥石を試作し，加工試験により工具寿命を評価した。