微細表面形状を有する切削工具の開発超硬工具によるアルミニウム合金の切削

摘要

切削加工においては，加工の高能率化のために高速加工が，また環境負荷低減等のためにドライ加工や極微量切削液供給すなわちMQL（Minimal Quantity Lubrication）加工の実現が強く求められ，そのため切削工具には極めて高い機械的·熱的負荷が加わるようになった．そこで工具の耐摩耗性·耐熱性を高めるために様々なコーテッド工具が開発されている．またそもそも高負荷にならないよう工具表面を低摩擦にするために，工具表面の平滑化処理やDLC コーテッド工具の適用が試みられている．しかしながら，量産加工プロセスからの要求レベルの高度化はとどまるところを知らず，上記の技術のみで応えることは困難な状況となってきている．特にMQL 加工においては工具表面の潤滑性が不十分になりやすいため，加工の再現性が悪い，また適用範囲が狭いといった問題が顕在化している．