機械設備の信頼性と安全性に影響を与える人的リスクについての分析

摘要

行動傾向の調査方法は，実際の機械加工作業員を被験者として模擬非定常作業実験を実施し，単独作業による行動傾向，集団化による行動傾向の変化，時間的ひっ迫による行動傾向の変化を確認するものである．手順書等管理体制ない以上，保全員は自らの期待効用に従って複数の代替案の中から行動を選好すると仮定した．そして保全員の故障に対処する選好行動が時間経過によるひっ迫感を基礎とするため，保全員の行動傾向を，経過時間を確立密度関数とする効用関数を用いてモデル化した．そして，この効用関数がリスク回避形かリスク志向形であるかを，模擬非定常作業実験のデータを用いて判断することにより，非定常作業における保全員の対処行動の一般的傾向の概要を把握した．