多段遠心ポンプ最終段モデルにおける動静翼間の幾何学的関係が軸スラストに及ぼす影響

摘要

近年のターボ機械に要求される高エネルギー密度化を達成するべく，遠心ポンプに対して多段化および高回転化が行われている．これに伴いポンプ内部の回転系に作用する流体力やそれに起因した軸系の振動が顕在化しており，ポンプの信頼性を損なう要因となっている．ターボ機械協会に設置されたHPC（High Performance Computing）関連の分科会におけるWG2では，HPCを用いた多段遠心ポンプ内部の流体力や不安定流動に対する予測技術の実証を目的とした活動が行われてきた．同WGではポンプ内部の流体力に影響を及ぼす因子として回転体と静止体の幾何的関係に着目し，その中でも，多数の報告が行われている半径方向の幾何的関係だけではなく，軸方向の幾何的関係（以下軸ずれ）が及ぼす影響を調査してきた．