極低回転摩擦攪拌プロセスによるMg-Li合金の超塑性発現

摘要

Mg-Li合金は極めて軽量であることに加えて、Li元素の添加により優れた室温成形性を有することが知られており、従来汎用されている鋼やアルミニウム合金の代替材料として、自動車、鉄道車両及び航空機等への適用が期待されている。しかしながら、代表的なMg-Li合金であるLZ91押出材の引張強度は約150MPaであり、AZ31やAZ61等の一般的なマグネシウム合金と比較すると強度が低いことが問題となっている。更に、複雑形状を有する部材を効率的に製造するためには、Mg-Li合金の超塑性特性を向上させることが重要である。そこで本研究では、Mg-Lま合金の高強度化及び超塑性特性の向上を同時に達成することを目的として、摩擦摸拝プロセスに着目した。ここで、我々はツールの回転速度を極低回転とすることで、極めて微細な再結晶組織が得られることを明らかにしており1）、当該条件における摩擦攪拌プロセスを中心に検討を行った。