ブローホールを有するアルミニウム合金継手の疲労性能評価手法の開発

摘要

機械や構造物の破損事例の多くが金属疲労に起因すると言われている．特に，溶接部は疲労破壊の起点になりやすいことが知られており，溶接部に存在するブローホール（BH）や溶け込み不足などの溶接欠陥は疲労性能を低下させることが知られている．BHに対する品質管理基準の例として，IIWではBHの面積率に対して許容可能な限界値を設定し，疲労等級を分類している．ただしこの基準は個々のBHのサイズやその位置には依存しないことに注意が必要である．なお，この品質管理基準が採用される理由として，継手製作の再現性の問題や疲労試験自体が高コストであるなど，高精度な検証が容易ではないことが一因として挙げられる．そのため，過度に安全側の基準で設計され，さらに溶接補修の頻発を誘発している可能性がある．