自動車分野ではCO2 排出量削減と衝突安全性能の向上の観点で車体の軽量化が大きな課題の一つであることから、高強度鋼板の適用による板厚低減ニーズが高まっている。しかし、高強度化によって鋼板の薄肉化が進むと、鋼板の腐食に対する余裕がなくなる。自動車足回り部材ではアーク溶接が多用されるが、溶接部に残存するヒュームやスラグが塗装性を低下させ、溶接部は母材部と比較して耐食性が悪い傾向となる1)。そこで、本研究では、CMT(Cold Metal Transfer)溶接及びパルスマグ溶接を対象に溶接プロセスの違いがスラグ生成量に及ぼす影響を調べている。前報2)では、入熱量が比較的低い領域では、入熱量の増加に伴い、スラグ面積が増えたことを報告した。本報告では入熱量が比較的高い領域での入熱量とスラグ面積の関係を報告する。
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