場の理論FTMPに基づく転位場の離散系から連続系への橋渡しに関する研究

摘要

本研究はFTMPに基づく離散転位の連続場評価法を提案する．転位は一般的に3次元空間内で複雑に拡張する線形欠陥であり，転位は曲げや，転位同士の絡み·増殖·消滅，更には位相幾何学的な変化（例えばジャンクションの形成）を行う．これらの転位情報は本質的に離散的であると同時に複雑な空間情報を含む．FTMPに基づく3次元転位システムの不適合度評価法は，転位密度に関する情報（転位総長さの変化）だけでなく，剛体の並進運動，局所的な転位の張り出し，転位の配置条件も考慮した転位の振る舞いといった，従来の転位密度に基づいた評価法では欠落している形状変化に関する情報も表現することが可能である．本研究では，スプリングバック効果やバウシンガ効果の原因とされている転位セグメントの張り出し応答を主な解析モデルとし考察を行う．