都市部大気環境における粒子状物質中の多環芳香族炭化水素類の粒径別濃度分布に関する研究

摘要

一般大気環境には多種多様な物質が存在している。その中で、大気浮遊粒子状物質 (SPM) による大気汚染が大都市部を中心に問題となっており、呼吸器系や心臓血管系疾患への寄与が指摘されている1)。SPMの中でもPM_(2.5)などの微小粒子は肺の深部に進入しやすく、人体への影響が危惧されている。さらに、SPMの表面上やその内部には、発ガン性や変異原性を有する化学物質が数多く存在する。そのうち、特に多環芳香族炭化水素類 (PAHs) が注目されている。