福江島で観測された越境輸送 PM_(2.5)の個別粒子分析と発生源解析

摘要

東アジア地域の経済発展により大気汚染物質の放出が 年々増加し、その一部は日本へ長距離輸送され大気環境 や人体への影響が危惧されている。特に、人為起源によ り発生した有機エアロゾルや金属を含むエアロゾル粒子 は健康への影響が大きいと言われ、エアロゾル粒子の化 学組成や発生源を特定することが重要である。福江島は、 東シナ海上に位置し中国大陸に面しており、島内からの エアロゾルの人為排出の影響が小さいため輸送されてき たエアロゾル観測に適している。2010 年春季と冬季に長 崎県福江島にて集中観測を行い、エアロゾル中の化学組 成の定量分析ならびに単一の粒子中の内部混合状態に関 して測定した。本発表では特に重金属や有機物を含hだ PM_(2.5)に関して発生起源や発生領域を推定した結果を報告 する。