2008年の提言の具体化に向けて

摘要

2009年の交通事故死者数は4914人と5000人を割り、政府目標を前倒しで達成した。しかしながら、事故件数や負傷者の数は微減にとどまり、まだまだ高いレベルにあり、また死者数も歩行中の事故はわずか4名の減少にとどまり、より一層の交通安全に向けた努力が必要といえる。日本学術会議総合工学·機械工学両委員会合同の工学システムに関する安全·安心·リスク検討分科会では、事故死傷者ゼロを目指すための科学的アプローチ検討小委員会を設け、2008年6月に「交通事故ゼロの社会を目指して」と題した提言を発表し、その後も活動を続けている。