フッ素樹脂スパッタ膜の表面解析

摘要

フッ素樹脂は，潤滑性，耐熱性，電気絶縁性に優れており，薄膜化することで，より一層の普及が期待される1）．とりわけ成膜技術の中でも，ドライブロセスであるスパッタ法は，薄膜に基板との高い密着性や均一性を与えることが出来るため2），フッ素樹脂の乏しい接着性を補うには最適なアプリケーションである．　フッ素樹脂薄膜を作製する場合，フッ素系ポリマーをスパッタリングターゲットとして用いる成膜プロセスが主流である．しかし，ターゲット中のフッ素の有無に拘らず，フッ素系ガスを導入した反応性スパッタリングをプロセスとして採ることでもフッ素樹脂薄膜を得ることが出来る3）．そこで本研究では，フッ素樹脂薄膜の成膜プロセスの解明を目的とし，上記の2プロセスで成膜を行い，プロセスと薄膜の特性を検討した．