カゴメ格子を有するシャンド鉱型金属強磁性体A_2M_3S_2（A＝Sn，ln；M＝Co，Ni）の磁性と電子状態

摘要

シャンド鉱型Sn_2Co_3S_2は，Coカゴメ格子を有する強磁性体（T_c＝178K）である. カゴメ格子強磁性に関しては，各格子点における斥力の相互作用を打とすると，任意のU＞0についてカゴメ格子上のHubbard模型の基底状態はただ一つしかなく，全ての電子のスピンが完全にそろう強磁性を示すことを理論的に示したMielkeの証明がある［3］．本研究では，まだほとhど研究をなされていないSn_2Co_3S_2（カゴメ格子強磁性モデル物質）に着目し，SnをInで部分置換を行い磁性と電子状態に及ぼす変化について調べた．Fig．1に母物質であるSn_2Co_3S_2の結晶構造を示す．