鋳型による分子インプリント高分子固定電極応答機構の同高分子ナノ粒子による解明

摘要

我々は、ヘパリンを鋳型とする分子インプリント高分子（MIP）をグラフト重合法で表面に固定した電極は、ヘパリン濃度に依存してフェロシアン化物イオンの酸化電流を変化させることを見出した。この電極をセンサとしての用途を拡大するためには、MIPが鋳型との特異反応によって、どのような構造変化を生ずるのか、そのメカニズムを理解する必要がある。しかし電極に固定されたMIPの薄膜（厚み10nm以下）の構造変化を解析するのは容易なことではない。そこで本研究では、ヘパリンを鋳型としたMIPのナノ粒子（MIP－NP）を作製し、鋳型との特異相互作用一による粒径の変化から、電極上のMIP薄膜の構造変化を推測した。