水頭差圧を駆動力とした浸漬型膜濾過による微細藻類一次濃縮システムの開発

摘要

近年、地球温暖化や化石燃料枯渇への対策として、化石燃料の代替となる藻類バイオ燃料が注目されている。本研究グループは寒冷な気候でも一年を通じて培養·収穫が行える土着微細藻類を原料とする微細藻類燃料生産実証事業に参加し、福島県南相馬市において検討を進めている［1，2］。微細藻類培養彼の懸濁固形分（SS）濃度は0．03wt％程度と希薄なため、当該事業における濃縮は二段階で行われている。一次濃縮には連続型の遠心分離装置が使用されているが、消費エネルギーが大きいためこれに代わる方法として水頭差圧を駆動力とした浸漬型膜濾過法を考案し検討してきた［3］。本研究では膜面積を拡大するとともに、藻類培養液と逆洗用水を自動供給することで連続的に濃縮操作を実施し、微細藻類の濃縮特性を評価した。また、得られた結果からエネルギー消費量と運転コストについて試算を行った。