Y系バルク超電導材料の臨界電流密度に及ぼすY211原料の作製方法の影響

摘要

溶融法で作製したRE-Ba-Cu-O系バルク超電導材料の微細組織や臨界電流密度(J_c)は，原料として用いるRE_2BaCuO_5(RE211)粉末の粒径の影響を大きく受けることが知られている．仮焼温度を低くしたり，ボールミル粉砕を行うことにより微細化したRE211粉末を用いてバルク材料を作製すると，試料中に分散するRE211粒子か小さくなり，J_cを向上することができる．ところで，RE211粉末の粒子形態は，RE211を作製する際に使用する原料の性状にも依存すると考えられる．本研究では粒径の異なる3種のY_2O_3を用いて固相法によりY211粉末を作製し，これらを原料としてY系バルク材料の合成を行い，微細組織とJ_cに及ぼすY_2O_3の性状の影響について検討した．