極低比速度遠心ポンプの性能に関する研究（第2報 比速度を大幅に変化させたときの性能）

摘要

本研究では，従来から明らかでない比速度の著しく低い領域での遠心ポンプ性能および羽根車設計諸元の影響を実験的に検討し，以下の結論を得た．1.舌部断面積を縮小することによって，最高効率点を著しく低流量側に移行させることができる．2.舌部面積を小さくすると著しく効率が低下するので，むしろ比速度の大きなポンプを部分流量で運転した方が高い効率を達成し得る．3.スペーサの挿入により達成できる最高効率は，比速度の低下とともにほぼ平行に低下し，n_s＜40では効率の低下は特に大きくなる．4.比速度の著しく低い領域では，全流量領域で周方向に圧力分布はほぼ均一となり半径スラストはほとhど問題にならない．5.最高効率点に及ぼす羽根車設計諸元の影響は少ない．6.比速度の低下とともに右上がり不安定性能が発生しやすくなり，舌部付近での著しい水力損失の増加がその原因のひとつである．