岩塩型Mg（Ni，Mn，Co）O_2の合成とMg二次電池正極特性および結晶·電子·局所構造解析

摘要

近年、リチウムイオン電池が多くの電子機器に使用されているが、安全性の問題や容量の限 界により、次世代電池の開発が必要とされている。Mgは、低い標準電極電位（－2.36V v.s. SHE） を持つことからMg二次電池は高い体積エネルギー密度が期待できる。その正極として岩塩型 Mg_xNi_yCo_zO_2は、第一原理計算により優れた特性の予測がなされているが、未だその特性を発現で きていない。1）これはMg組成比が1より少ない試料しか得られないことが原因の一つであった。 そこで本研究では、Mgの組成比を制御する合成条件の検討と、最適な遷移金属組成の探索を試 み、金属組成と電池特性および結晶掘子構造の関係について考察することを目的とした。