Li［Ni_(0.8)Mn_(0.15)Al_(0.05)］O_2の作製およびリチウムイオン二次電池用正極材への応用

摘要

携帯機器等に使用されるリチウムイオン二次電池の正極材には，LiCoO_2が広く用いられている。しかし，同材料に含まれるCoは高価であることから，近年Coを安価なNiに置換したLiNiO_2の開発が進められている。しかし，LiNiO_2は高温での構造安定性が不十分であることから，多価金属の添加により熱的安定性を向上させる試みがなされている。特に，MnおよびAlは熱的安定性の向上に寄与することが報告されていることから，本研究ではLiNiO_2にMnおよびAlを添加させたLi[Ni_(0.8)Mn_(0.15)Al_(0.05)］O_2（LNMA）の作製を試みた。多元系結晶を作製するため，組成制御に優れる水熱合成法を用いて前駆体の作製を行い，その後，結晶性の高い結晶作製が可能であるフラックス法を用いた。多段階の作製プロセスを用いることで，結晶性の高いLMNA結晶の作製を行い，作製したLMNA結晶の正極材への適用可能性を検討した。