ピロリン酸アノード酸化による高速超親水***滑落性制御型超撥水アルミニウム材料の創製

摘要

アルミニウムのアノード酸化（陽極酸化）は、アルミニウムおよびその合金に耐食性や装飾性、機能性を付与する表面処理法として極めて重要なプロセスである。アルミニウムを中性水溶液中に浸漬してアノード酸化すると、緻密なバリヤー型皮膜が生成する。一方、酸性および塩基性水溶液中でアノード酸化すると、ナノスケールの細孔が無数に配列したポーラス型皮膜が生成する。これまでの研究により、アノード酸化における酸化皮膜の成長挙動や生成したナノ構造が詳細に報告されており、バリヤー皮膜は電解コンデンサーの誘電体として、ポーラス皮膜はアルミニウム合金に耐食性や装飾性を与える保護皮膜として工業的に幅広く応用されている。また近年、規則性の高い細孔配列をもつポーラス皮膜の形成法が見いだされ、各種ナノテクノロジーへの応用展開が図られている。